未知の世界

メモに使ってます

ロシアによるウクライナ侵攻開始当時の状況

 ロシアによるウクライナ侵攻開始から1年が経った。


 あの頃どうだったかなとツイートを漁る気になったので、せっかくなのでブログにまとめておこうと思う。
 2022年はカザフスタンでの燃料価格高騰に抗議する大規模抗議活動、暴徒化と鎮圧、ナザルバエフ前大統領の失脚で始まった。この争乱はトカエフ大統領が1月30日に与党ヌル・オタンの新党首に選出され、全権掌握することで概ね終結する。

 ウクライナ情勢を巡っては2022年2月に入った時点で既に相当緊迫していて、11日には既に米国がウクライナからの退避勧告を出し、12日にはロシアが大使館を引き払い始めたため、私はこの頃にはロシアはウクライナになんらかの武力介入はするだろうという認識でいた。その後各国が退避勧告を出している。


 そういえば中国だけは退避勧告を出さず、侵攻開始後も自国民救出でえらい苦労していたのだった。


 侵攻開始は23日の祖国防衛の日付近が最も有力視されていたが、最初の可能性として16日という分析も出ていた。

 20日、ロシアがSWIFT停止も含めあらゆる制裁を受けた場合のストレステストを実施していたことが明らかになり、ウクライナ侵攻を確信した。こうしたシミュレーションをされていたので、その後の制裁にも関わらず1年間ロシアが戦争を続けることができ、経済が崩壊していないのは特に不思議ではない。



 この緊張の高まりは2021年3月には始まっていた


 2021年というとミャンマー国軍のクーデター、イスラエルのガザ危機、アフガニスタンからの米軍撤退があった年である。
 そうした中、9月頃からロシア軍が軍事演習を名目にベラルーシを中心にロシア西部に兵力を集め始めた。


 最終的にベラルーシだけで3万人、クリミア半島に1万人、ウクライナ国境周辺全域でおよそ20万人規模のロシア軍が終結する。
digital.asahi.com
 なお2014年にウクライナ軍は20万人体制(国境警備隊等を含めると25万人)にしていた。正規軍で言えばほぼ同数だが、ウクライナ側は兵力を集中しているわけではないので、この時点では投入兵数でもロシア軍の方が多かった。

 その間、フランスのマクロン大統領やドイツのベアボック外相を中心に欧州や米国の要人がロシアとの対話を試みたが、殆ど会話にならなかった。マクロン氏なんかプーチン大統領の「独特な歴史観」を5時間も聞かされた挙句ゼロ回答で帰された。
 開戦後もマクロン氏はプーチン氏と高い頻度で電話会談をしていた(プーチン氏からかけたこともある)。

 一方イギリスのジョンソン首相はCOVID-19規制の中首相官邸クリスマスパーティーをしていた疑惑で退陣の危機にあった。NATOの中でポーランドと並んでウクライナへの強力な支援を約束していたし、02/24も英国軍特殊部隊がゼレンスキー大統領の警護にあたっていたという情報があったが、あれはたぶんスキャンダルから世論を逸らそうとしていたんだろうなと思っている。

 1年経っても和平の可能性もわからない状態のウクライナだが、あれはたぶんロシア軍が息切れしたところで停戦もしくは休戦してそのまま続くのだろうなと思っている。
 実のところロシアによるウクライナに対する国境の現状変更そのものは2014年のクリミア併合から始まっているので*1、1年どころか9年間続いている紛争なので、もはやナゴルノ・カラバフのように終わる見込みのない紛争地になってしまっているのだと思う。
 最後に歴史の転換点になったこの動画をメモっておく。

*1:ドネツク民共和国(DPR)、ルガンスク人民共和国(LPR)の独立紛争に関しては、あれは現地の反ユーロマイダン運動が主導しており、ロシアとしては武器供与はしていたようだが、ミンスク2合意でウクライナ「連邦」への編入を認めていた通り、元々併合するつもりはなかったし独立自体も興味がなかったようだ。それは今般の軍事侵攻直前の2022年2月21日まで独立承認すらしてこなかったことからも伺える。